2018/02/01

ブランドのファン


「ブランドのファン」を自称して訪れるお客さんは、僕の店にとって良いお客さんであるかというと微妙である。

長年洋服屋で生計を立てていると、「売れるブランド」を良いタイミングで取り扱うことができる。ただ「売れる」ブランドはその売れた分だけの反動も大きく数字を過去のようには取りにくくなる。そして売れてる時は店の運営の脇も甘くなる。ぬるい仕入れをしがちになる。

だから、ブランドという記号を目かくして。あくまでも僕が今シーズンピックアップした「ボタンダウンシャツ」「カーゴパンツ」「カットソー」を意識的には「匿名性といったシール」を貼って棚に並べたい。

できるだけブランドに付随するストーリーを語らずに。
また雑誌に掲載されたとか。(ん!そういえばそんなことを求めるお客さんはめっきり減ったな)
デザイナーの人柄とか。

あくまで、服を単なる服として向き合える空間を目指して。
そうなると僕がピックアップしたメーカー、メーカーのシーズンラインナップの数ある中から選んでモノを購入したいというお客さんがありがたく思う。
目利きを信頼してもらえるような関係性というか。

とは言いつつも、そのような牧場的関係性は、2000年中盤くらいまでだったように思う。
服を取り巻く環境も変わったし、僕の商品をピックアップする目利きとしての「旬」をとうに過ぎたようにも思う。

しかも一人でバーの営業もしているし、(多くの人が人を雇って経営している思っているみたいだ)洋服屋も仕入れ・販売と一人体制である。

知人から「bar営業をすることによって、今まで服の仕入れに100%のエネルギーを注げたのが50%ぐらいに目減りするでしょ?」と苦言を頂いたことがあるが、まさしくその通りで過去の経験(スキル)の貯金を食いつぶして洋服屋として向き合っている。
以前よりスタイリングの新たな試み、出張時の他店リサーチなど、あまり熱心ではなくなった。

それを「退廃」と呼ぶか、はたまた「成熟」と名付けるかは微妙なところだ。

※短くまとめて書こうと思ったけれど、ゴールを見失った感じ。
すいません。







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